日 記
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2008年6〜8月
2008年8月10日(日) くもり
今日は曇り。午後からほんの少し陽が出たが、
また曇り。
朝のうちに新水と野菜を収穫。
このところ、早起きが出来なくて、
梨を収穫するのに、陽が出てしまい苦労していた。
それが今日は早く起きたのと曇っていたのとで、楽な収穫だった。
梨の収穫は、もっぱらその果皮の色合いで判断するのだが、
直射日光が当たると、正常な判断が難しくなる。
だから朝明るくなってから、太陽が出て果実を照らすまでの
わずかな時間が、収穫に適した時間なわけだ。
それにしても、
他の野菜も含め、こうして毎日いろいろな作物を収穫していると、
収穫する技術というのも、本当に大切なのだなぁと
改めて思う。
例えば、キュウリやナス。
これらは、大きさで適期を判断する。
うちではキュウリは毎日、ナスは一日おきの収穫だが、
採り残した、いや小さいからと採らずにおいたものが、
次の収穫までにどのくらいの大きさになるのか?ということが、
実に大切なことになる。
もちろんこれは、天気や気温も関係するので、
そのあたりの読みも必要だ。
あまり小さいのまで採ってしまえば、次回に収穫するものがない。
逆に採らねばならない大きさのものを残せば、
次回には巨大化して使い物にならなくなる。
こうして大きさが判断基準になるものがある一方、
トマトや梨は大きさではなく色合いで判断する。
まぁ、いろいろな基準があるのだけど今のところ、
よく分からないのが、ゴーヤ(ニガウリ)だ。
ゴーヤはキュウリなどのように未熟果を食べる。
果皮が黄色くなってきたら、熟してきた証拠。だからその直前が適期だ。
でも、日照の条件などで、最初から薄黄色いものがある。
ならば大きさはどうかというと、これも大きくならないで
熟してくるものがある。
まぁ、結局のところ、毎日見ていて、個々の実の色合いを
頭に入れ後は大きさで判断しているけど・・・。
そうして、梨は先に書いたように非常に微妙な色合いの判断が必要で、
難しさもダントツだ!
それに加えて、
特に収穫始めの梨は、色が付いた原因が正常な熟期によるものでないものも多く、
このあたりの判断も超〜がつくほど難しい。
先日も選果している間に「怪しいな」と思った新水をひとつ、
妻に「この梨なにかおかしいから、剥いて食べてみよう」と渡した。
普通に見れば、何の異常もなく、
妻も「どこが?」といぶかりながら剥いてみたところ、
案の定、ごくわずかに芯に異常。
その時点では、食べるのに何の問題もなく味も良かった。けれども、
こうした梨の傷みが早いのは当然だから、抜き出して正解だ。
妻が「何でもないのに、どうして分かるの?」と言うので、
まぁ、コツみたいなものは教えたけれど、
実際は、五感を総動員したあとの第六感みたいなものだ。
こうした能力は、多分親父やお袋よりも俺の方が優れていて、
それは、きっと子どもの頃から数多くの梨に接し、食べてきているうちに
養われたものではないかとも、思ったりする。
この能力を家族全員、またパートさん全員が身につけてくれると、
品質管理という面では、一段上に行けると考える。
けど、なかなか教えて身に付くものでもなさそうだし、
お客さんに渡る全ての梨を俺がチェックすることは出来ないし、
俺だって、おそらく100パーセント見分けるにはほど遠いだろう。
今年は、病害虫も多く、
特に幸水などは、芯の傷みが出やすい品種であるから、
今の畑の現状より、現実は不作傾向になりそうな気もしてきている今日この頃だ。
2008年8月8日(金) 晴れ
今日もめちゃ暑っ!
北京オリンピックが開幕。
なんだか、まぁ、いろんなことがありすぎて、
なんで、こんなとこでオリンピックしようと決めたのかなぁ、って感じ。
テレビで、魔王が始まるまで開会式をみていたけど、
中国の歴史をうんぬんて・・・、
中国って、二次大戦後の国じゃないの?
周辺諸国の民族衣装だって?
それって、中華思想?なんだか不愉快だよなぁ。
そういえば、つい先日、
毒餃子事件の件で、中国内で回収された餃子が出回り、
それで健康被害が出たことを認めたようだ。
しかも、この時期のことで、厳重な情報統制がされているから、
中国内ではうやむや。
日本の国民感情を考慮して発表したのだろうけど、
やり方がこすいね。
時事ネタは、このくらいにしておくとして、
おらが暮らしの話。
この数日、またしても親父は腰痛。
例年このお盆前の時期は、死ぬほど忙しいのであるが、
野菜の収穫と梨の収穫をひとりでこなしている。
また、野菜畑や田は梨が本格化すると放置状態になるので、
その前にひととおり雑草退治をせねばならぬ。
これをしておいても、梨が終わる九月下旬には、
雑草だらけの相当に悲惨な状態になるのだから、
やらなければどうなるか?
かといって、この数日のめちゃめちゃな暑さでは無理も出来ない。
繁忙期を控えて、体を壊すなんて最悪だからね。
そんななかでも、
逆に良いこともあるもので、
例年自分がしている庭木の刈り込みを、今年は叔父が買って出てくれている。
生け垣と庭木で、みっちりやっても四日ほどは、かかる仕事。
これをしないで済むのは、お盆前のこの時期大変にありがたい。
心から感謝だ。
人間って、本当にいろいろな人に支えられて生きていくものなんだと
つくづく思う。
家族・親戚しかり、地域の人しかり、会社の人しかり、赤の他人もしかり。
出来る恩返しはしなくてはならないと、肝に銘ずる。
2008年8月5日(火) くもり/雨
昨晩に雨。
異様に蒸し暑い午前中で、時折雨がぱらつく。
午後3時頃からは雷雨になった。
いっときは、10分に10ミリほどの雨で、
こりゃどうなるか?と思ったが、
30分程度でいくらか雨脚弱まり、何事もなく過ぎた。
畑にとっては、
晴れた時の高温で乾燥が激しいので、まず良いお湿りだ。
今日は、朝のうち新水を収穫した。
「5日に欲しい」というお客さんがいて、
ざっと畑を見回り、色付いているものをとってきた。
多くの実を一度にみると、
色が来ていると思える果実も、実際もいで手にしてみると、
「やや青めかな」と感じられる。
しかも、こうして極早く色が差してくるものは、
現実的には、見た目に分からなくても病害虫の被害を受けているものも多く、
販売するには、ちょっと不安だったりする。
先日も、近所のある農家は新水がシンクイムシの大被害で壊滅的と聞いた。
さらにハダニの被害も深刻とか・・・。
うちは、ハダニは早くに気づいてそれなりの手を打ち、
今のところ押さえられているようだし、シンクイも例年よりは多いけれど、
大被害というほどではない。
それよりも、この時期は軸折れ、落果の時期で、
例年落ちた実を拾い集めるのが大変なのだが、
今年は落ちる実が少ないように思う。
摘果での着果数は、この時期に落ちる数を織り込んでいるので、
今年はやや多めの収穫数になり、その分小玉傾向になるかもしれない。
それでも、
まぁ、今のところは、
「例年並み」と言える範囲かと思う。
今日は新水を収穫したので、
糖度も測ってみた。
12度。
お袋は「新水としたら、ちょっと低いねぇ」といっていたが、
実際、食べてみた俺と妻は「これなら悪くないな」と意見が一致した。
糖度の低さは、昨晩の雨の影響もあるのかも知れない。
さて、こうして収穫も始まると、
忙しくなってくる。
今はまだ、野菜の収穫もあり両方だ。
予約の受付もあり、一日数10件の予約が入る。
まだ全然整理が出来ていないけれど、現時点で予約数は
数百単位になっているはず。
ようやく新水の収穫をしてみた、といったところで、
これだけ予約がもらえるのだから、
「本当にありがたいことだ」とつくづく思う。
今年は、幾分の値上げもあり、
そのあたりがどうなるか?と心配でもあるのだが、
現時点で予約を入れてくれるお客さんは値上げの話をしても、
「そんなの関係ねぇ」みたいな人ばかり。
これもまた、生産者としてはうれしい限りだ。
こうして、我が家のファンでいてくれる人がいるからこそ、
良品生産に向けて、今から出来ることは限られているけれども、
それでも、最後の手入れを怠らず、
また来年のためにも・・・と、
気持ちが引き締まる思いになる。
2008年7月28日(月) 晴れ/くもり
晴れ時々曇り。
蒸し暑い。
それにしても、降らないなぁ。
そろそろ雨乞いが必要かも。
といいつつ、また一方では
このあたりとしてはだいぶ遅めの田植えだった我が家も、
そろそろ中干しをしなければ・・・、ということで、
今日はてびさらい。
「てびさらい」はあまり聞かない言葉だろうが、
田んぼの中に排水の溝を作ることをいう。
中干しすれば、どろどろだった田んぼの土が締まって硬くなる。
硬い土を掘って溝を作るのは容易ではないので、
干す前にやるべき作業なわけだ。
この溝は、中干しをするための排水にはもちろんだが、
もっと肝心なのは刈り取りの頃の排水のためだ。
稲刈り頃には、台風などもあって雨が降ることも多い。
近頃の機械刈りでは田んぼが乾いていないと出来ないし、
そのためには、降った雨を速やかに排水する必要がある。
そこで、このてびがさらってあるかないかが、
大きくモノを言うことになる。
さて、それで今日は、田んぼに入った訳だが、
実は先日、畑で躓いて怪我をした。
右足の膝下。
まぁ、浅い傷だが、表面としては
5ミリくらいの幅で長さ7〜8センチと、そこから2〜3センチ離れて
平行に同じく長さ3センチくらいの傷。
いくら浅いとはいえ、これだけの面積があると、
見た目も「こりゃ、ちょっとなぁ」って感じだし、
事実「歩くだけでも痛ぇ」
しかも、この位置だと、田んぼ用の長靴を履くと、
靴の一番上部のゴムが傷を締め付けるように当たる!
でも、傷が治るまでてびさらいを先延ばしにも出来ないしと、
救急絆創膏の一番でかいのを2枚貼り付け、
その上を包帯でぐるぐる巻いて、田んぼの長靴を履き、
てびさらい決行!
帰ってきて包帯ほどいて、
「いや、こりゃ、ちょっとどころじゃないかもしれねぇ」
と思わずつぶやきましたよ。
2008年7月24日(木) 晴れ
梅雨も明けて、このところすさまじい暑さだなぁ。
作業は、畑の藁敷きなど。
こういう高温では、畑の水分もどんどん蒸発するので、
カラカラ。
乾いた上に藁を敷いても手遅れって感じだけど、
まぁ、ひと雨来てくれれば、それなりの意味もある。
キュウリなどは水分の要求量が大きいので、
こうして照り上がると、とたんにがっくりとモノが悪くなる。
今年のキュウリは、最初雨が多くて病気になり、
照り込めばもうボロボロになるから、いいとこなしだなぁ。
乾いたら、水をまけばよいということは分かっちゃいるが、
いざ畑に水をまくというと、
いったいその水をどこから調達するかが問題となる。
なにせ、必要な水の量が半端ではないからだ。
このあたりで畑の面積を言うとき基本的な1反という面積、
これは約1000平米。この面積に例えば10ミリの水をまくには・・・って、
どこにそんな水があり、どうやって運ぶのか?
しかも雨なら空が曇っていて蒸散しないが、
この天気に10ミリなんて数字は、焼け石に水だ。
現実にまくとすれば、もっともっと大量の水が必要となる。
天気も適度なバランスを保ってくれないと、
本当に干ばつになるな。
そういえば、サミットでも、今回は食料の問題が大きく取り上げられた。
けど、あんまり効果というか、解決に結びつくとは思えん。
日本は、「食料輸出規制をしないように」と働きかけているけど、
輸出そのものの停止や関税の問題がクリア出来ても、
その国ですら足りないものを、安く買うことが出来るはずがない。
いろいろな原因はあるけど、
国産農産物と外国の農産物の価格差はどんどん縮まっている。
でも、日本の自給率は40パーセントしかないわけだから、
仮にこれが逆転しても輸入しないわけにはいかない。
このことが、ある程度はっきりしてきたら、
よほどの馬鹿かお人好しでない限り、日本に対して食料を
普通の値段で売る奴はいないよね。
さらに、そういえばだけど、
梨の値段、JAの価格は一律値上げではなく、
値下げと値上げを組み合わせたもので発表された。
モノの良い売れ筋のものは値上げで、等級の低いものは据え置きないし値下げ。
この価格設定、考えてみれば分かるが、
それぞれの園の技術力によって、今まで以上に収益に差が出る。
良品生産が出来る園は今までより儲かるし、
普通のものを作っていては今までと同じ。
レベルの低いものが中心になってしまう園では、値下げになるだろう。
この料金表に対して、個々の園がいったいどう対応するのかも、
非常に興味深い。
現実問題として、我が家の価格はまだ正式に決めていないけれども、
このJAの線を踏まえれば、売り上げ金額が伸びることが見込める。
そこで、あえて買い得な部分も作ってはどうかと思っている。
まぁ、いずれにしても、この価格というヤツは、
なかなか難しい問題がたくさんある訳だが。
2008年7月6日(日) 晴れ/くもり
昨日今日と、
暑いなぁ。
急に暑くなるのは、こたえる。
温度計をみれば、28度程度なのだが、
なにしろ湿度が高くて、蒸し暑い。
今の仕事は、野菜収穫や梨の夏期誘引で、
さして運動量の多いものではないけれど、
シャツは汗でびっしょりになる。
汗を大量にかくので、水分補給も欠かせない。だからいつも
1リットルくらいの飲み物は持ち歩くようにしている。
長期予報では、今年の夏は暑い夏。
梅雨明けも早そうな見込みらしい。
梅雨入り頃、
あまり雨が降らなくて、梅雨の後半からぐずぐずしないか?
と書いたが、
天気図から見れば、本当にじき梅雨明けになりそうだ。
しかし、晴天続きになれば、それはそれで、
気温も異常な上昇となるだろう。
この何年かで、暑い夏は気温35度が珍しくもなくなっているのだから。
外で働く者としては気温35度はつらいものがあるよなぁ。
熱中症など、体には気をつけないと。
それはさておき、
夏野菜は、この暑さで急に伸びるのが早くなった。
まだ、乾燥もしていないので、
今が一番良い時かもしれない。
今年は、野菜も病害虫がひどくて、四苦八苦しているが、
キュウリもトマトも支柱の一番上まで伸びているし、
キュウリなどは、中間部の脇芽と本線の上部とで、
1本の木で3本くらい収穫できたりする。
まさに、今が盛りだ。
うちは、うちで食べたい野菜を作っているので、
品目はやたら多い。
先頃収穫したのがジャガイモ、タマネギ、ニンニク、らっきょう。
今はキュウリ、トマト、ナス、インゲン、カボチャ、大根、ニラなどだ。
しばらくすると、オクラ、ニガウリ、モロヘイヤ、枝豆、トウモロコシ、
スイカなどが採れる。
この先を考えての作付けは、すでにネギを植え、ササゲを蒔き、
この後、ニンジン蒔きとなる。
それぞれの品目ごとの作付け本数はもちろん極少ない。
でも、それぞれの世話は必要なわけで、
主力の梨の誘引もあり、野菜の世話もあり、
朝に晩に田んぼの水管理もありと、
まぁ、やることはいくらでもある。
それでも、野菜仕事というのは気分的に楽だ。
2008年7月1日(火) くもり/晴れ
このところ、梨畑はお袋と妻に任せて、
野菜の方ばかり面倒をみていたが、
キュウリもトマトもとりあえず支柱の先まで伸びて、
追肥も終えて、誘引などもほとんど必要がなくなり、
久々で梨畑へ。
梨畑では、着果がまだ最終的な数には多すぎるということで、
摘果作業をしている。
で、定期的な防除作業はしているものの、
すでにハダニがつき始めているのを発見した。
樹をしっかり見ていれば、気がつきそうなものだが、
妻もお袋もこうしたことは、全然気がついてくれない。
もちろん、他の農家だってこうしたことに気づかない人も
多いのだろうが・・・。
それにしても、この天候でハダニとは、
いったいどうなっているのだ!
おそらくこれはうちだけのことではなく、よその園も同様だと推測するが、
天候を考えれば、ハダニが出るような天気ではないのだ。
植物の病気や害虫というのは、
そもそも、それらが多発する時期なり天候なりというのがある。
ではハダニはどのようなときに多発するのか?といえば、
梅雨明け後、夏の晴れ上がった乾燥した気候、風通しの悪い状態、
といったことがある。
今年の天候で言えば、
雨は降りすぎるほど降っているし、風も強い日が多く、
その意味では、
キュウリがベト病にやられているのは、仕方ないというような天気だ。
キュウリのベト病は湿度が高かったり、風で葉が痛んだりすれば病原菌が入りやすい。
そんな天候なのに、梨はハダニである。
ダニ対策の防除薬剤だって散布しているし、
この天気ではそう多くないはずだ、という思いこみを
打ち砕かれた。
ここでなんらかの手を打っておかないと、梅雨明け後には、
痛い目に遭う。そう思った。
いつも書いているように、消毒はきらいだ。
できるだけ少ない回数ですませたいし、できればしたくない。
だけど、実際こうしてやられているのをみれば、
例年しない消毒もしなければ・・・と考える。
プロであり、失敗すればおまんまの食い上げだ。
しかも永年作物だから、樹のダメージが大きければ、今年だけでなく、
来年、再来年にも影響する。
それに、多分ここで気づいた自分は、あと20日も経ってから気づいた人より
2回くらいは、少ない消毒ですむはずだとも考える。
しばらく前の話だが、
ある人が「いいものを作るにはたくさん消毒しないと・・・」と言っていた。
専業ではないけれど、農家の人だ。
この話は分からぬでもない。たくさん消毒すれば、それだけ病虫害の少ないものが作れるはずだ。
でも、と俺は思う。
天候なり、発生が多くなる予兆なりも考えずに、いたずらに農薬を散布するのは
無駄だし、良いことでもないだろう。
逆に、農薬は予防的なものがほとんどなので、ぼんやりしていて、
明らかに「被害が出た」となってからではおそい。なぜなら
それを退治するには、予防ですませるよりずっと多くの薬剤散布が必要になるからだ。
さらにまた、「うちは農薬を少なくしているんで・・・」なんてことを
被害を出した後の言い訳にするのも、農業で食っている以上恥ずかしい気がする。
いずれにしても、自然相手である以上、
「お手上げだ」ということも時にはあろうが、
出来る努力はしておかないと・・・、と思うのだ。
2008年6月26日(木) 雨/くもり
昼食を食べながらの話。
うちの畑の近くの家で、野菜を時々買ってくれる人の家に、
今日妻が野菜を配達に行った。
その家は、隣のご主人が兄弟で、つまり兄弟で隣同士。
別に地元の人でもなく、分家でもなく、
この土地が売り出されたとき、一緒に買ったようだ。
帰ってきた妻が「○○さんの家は隣と門を出入りしなくても
行き来が出来るようになっているんだねぇ」と言った。
その話を聞いて、両親と俺「そういえば・・・」と、
話し込んだ。
「昔はうちだって両隣へ、道へ出なくても庭から庭へと
出入り出来たもんだ。食べ物なんか、こんなの作ったからって、
よく持って行ったり、もらったり・・・」とお袋。
「子どもの頃は、うちの庭もよその庭も関係なく、隣から隣と
遊んで歩いたものだよ。そうしちゃ、よその家でおやつのお菓子もらったりしてさ」と俺。
「今じゃ、庭でよその子が遊んでたら、なんだこの子は!って思っちゃうな」
「庭から庭へ行けるようなところってなくなったものなぁ・・・」
「昔は近所の子もうちの子も一緒くたみたいなものだったのに・・・」
などと話した。
このあたりは、まだまだ隣から隣へと昔ながらの家であるけれども、
今やそうした庭から庭への出入り口はどこもなくなってしまっている。
世の中の風潮といえば、そうなのかもしれないが、
なんだか少し寂しい気もした。
子どもたちを巻き込む事件が起こるたび、
地域で子どもを見守ろう!みたいな話も出る。
でも、しばらく前には
「知らない人に話しかけられても、相手をしてはいけません」と子どもに
教えていたのだ。
だいたい今の子どもたちは、
隣の家のおじさんやおばさんの顔を覚える機会すらないのではないか?
なのに、今は地域で子どもを見守ろうなんて言って、大人が
子どもに声かけしよう!とかいう。
あげく、子どもに無視された!なんて怒るオトナもいたりして、
なんか、
変だよなぁ〜、と俺は思う。
なんか、今ふと思いついた、
大変に飛躍した考えなんだけれど、
子どもの安全が脅かされるのって、
子どもが少なすぎるせいなのではなかろうか?
昔、隣から隣へと練り歩いて遊んでいた頃は、
兄弟がいたり、近所の年長、年少の子が一緒だったものだ。
けれど、今は子どもがいない。近所だからと
4つ5つの子を連れて遊ぶ小学生もいなければ、
小学生の面倒をみる中学生もいまい。だから、
親の方だって、今ではいくら近所でも勝手に
ふらふら遊びに行かせるようなことはさせないだろう。
だから、子どももオトナも互いにどこの誰だか分からない。
本当は、子どもは子ども同士で、オトナの世界にも出たり入ったりする、
そうした地域社会ってのが健全じゃないのかと、
思ったりするわけだが。
2008年6月17日(火) 晴れ/くもり
夜、「おせん」というテレビ番組を見た。
(詳しくはこちらを見ていただくといいと思います)
http://www.ntv.co.jp/osen/
この番組、ずっと見ていたわけではないけれど、なかなか
面白い番組。料亭「壱升庵」の女将「おせん」が主人公で、
食べる人の身になって手間暇かけて美味しいものを作ることに
こだわっている。
今日は、完成までに半年はゆうにかかる最高級の鰹節「本枯節」の話。
鰹節工場「ヤマジョウ」の本枯節でなければ、というおせんだが、
このヤマジョウは借金で、買収されそうになっており、「本枯節」の
生産をやめるという。
なんていうんだろう、この設定。
便利さとか、経済性とか、合理性で、我々がなくしてきたものを、
ものの見事にあぶり出している。
「本枯節」を作るということは、今や時代遅れで、
そんなことをしていては、借金がかさむばかり。
でも、食べてみれば、きっと誰にだって分かるくらい差のある
おいしさなんだろう・・・。
おせんさんが、かんなで鰹節を削るシーンに、
なんか、自分の子どもの頃が思い出されてきましたよ。
それにしてもなんか、身に沁みる話だよねぇ。
わざわざサラリーマンをやめて、儲かりもしない百姓を
継いでいる自分にとって、
先代の女将がおせんに伝えた「つないでいくことが大事」という
言葉は、
まさに自分の思い。
そもそも、人生って、
親から子へ、子から孫へってつながっていくその間を
自分が受け持つことでしかないんじゃないか・・・、
という風なことも思う。
もちろん、子どものいない人の人生が意味のないこととは、
思わない。運命論者の俺としては、きっと、そういう人は、
今の自分の人生を100パーセント生きる
可能性を与えられているのだろうなと、少しうらやましく思ったりも
するくらいだ。
「つなぐ」ということは、ある意味自分を捨てることも
必要になってくるし、
決して楽なことではないのだから。
2008年6月16日(月) 晴れ
今日も晴れ。
近頃は、梅雨になったとたんに雨が降らなくなる年が
多いように感じる。
天気図から言えば、梅雨前線が停滞してこれなら梅雨だ、
という状況なのに、現実には雨が降らない。
それどころか、4〜5月頃の方がよほど降っている。降りすぎるほどに。
こうした百姓の天気感からいえば、
空梅雨模様で6月が過ぎて、7月になってそろそろ梅雨明けって頃に、
今度は明けそうで明けない降り続きで、だらだら8月頃までなんてことになりは
しないかと思っている。
あるいは、7月中から強力な熱波で、
仕事にならんような日が続くとか・・・。
今日は、腰が痛くて、
それでもまぁ、何とか動いてはいた。
午前中にJAへ肥料を取りに行く。
いろいろなものが値上がりしている昨今だが、
中国産原料も多い肥料が、このところで3〜5割の値上がりをする。
それで、駆け込みの注文をJAが取りまとめ、今日がその受渡日になっていた。
我が家の主力の、梨の価格については、
JAで標準価格というのを出している。
昨年あたりから、値上げ検討に入っているものの結論はどうでるか?
実際、この10年以上価格据え置きで、肥料を始めとする
いろいろな資材・燃料等は、毎年少しずつ確実に上がっていて、
利益はどんどん減ってきている。
値上げしたいのはやまやまだが、
一方では、梨というのは必需品ではない、いわば贅沢品だから、
生活が逼迫しているときには上げにくい・・・という考えがあり、
一方では、何もかも上がるこのどさくさ紛れで・・・という考え方もある。
もちろんこれは標準価格であって、個々の園によって現在でも
ばらつきはあるのだけれど、
どうなるものやら。
俺としては、もちろん出来るだけ安く良いものをとは考える。それでも、
諸費用の値上がりを考えると、かなり痛いよなぁ。
午後は、梨畑の雑草とトマトの雑草退治。
今年、トマトは苗作りの段階で少し失敗をして苗数が減り、
それじゃ、多少収穫は遅れるかもしれないが、
脇芽を挿し木して本数を増やそうということで、結局
例年以上の作付けをしている。
トマトは、簡単に挿し木が出来るので、
こうするとかえって、成育に段階が出来て良いかもしれないと、
思ったりもする。
そういえば、キュウリは出来が良くない。
4〜5月の雨と強風のせいか、今年はベト病がひどい。
どんどん広がってくるし、
農薬散布だってそうそう出来るものではないので、
もうぱっと見、かなりやられてるねぇ〜という感じ。
弱ったもんだ。
キュウリ・ナス・トマトは、
俺自身、すごく好きな野菜で、上手に作って、
長くたくさん食べたいなぁ〜と思っているんだが、
近頃の天候では、なかなか難しいな。
2008年6月14日(土) 晴れ
天気良く、気温も上がる。
田んぼの苗直し。
今年もNさんの手伝いをお願いし、
一日で全て終える。Nさんに感謝。
しかし、一日田んぼに入って稲を植えるのは、
さすがに腰にくるなぁ。
このところ、腰はなんとか大丈夫で、
少々足などに来ているときも、なんとか動いているけど、
まぁ、大事にしなければ。
それより、今日は少し膝が痛くて、
膝の関節が痛いというのは、今までほとんど経験のないこと。
苗直しは、植えた稲を踏み倒さないように、方向転換など
やや妙な歩き方をするので、そのせいだろうか?
それでも、今のところ心配するほどの痛みではないけど。
今朝方、東北で震度6強の地震。
震度の割には、被害は少ないと言って良いようだが、
余震も続いているので、安心は出来まい。
中国の地震もあるけど、よその国のことをいっていられないよな。
関東には、このところ大きな地震はないけど、
いつ来てもおかしくはないのだし、
備えってのは、必要なのだろうな。
2008年6月12日(木) 雨
朝から雨。
それもかなりの雨量で、
田植えを終えたばかりということもあり、
体を休ませようと、午前中は布団に潜り込んでいた。
平日昼間にこんなことが出来るのは、百姓ならでは!と喜びを噛みしめつつ、
まぁ、土日もへったくれもないから、
とんとんだな・・・とも思う。
午後から雨も小降りになり、
庭の梅を収穫。
今年は、当初相当に実が付いていたのだけれど、
強風が多かったためか、今になってみるとほんの少ししか付いていない。
特に5月上旬頃からは、ぼろぼろ落ちてしまって、
結局収量は少なくなってしまった。
それでも、梅干しを作る量としては、こんなものだろうという量はあるので、
良しとしよう。
話は変わるけれど、
秋葉原事件の関連ニュースを見ていたら、
「ダガーナイフの生産・輸入をやめる」というようなものがあった。
何となく感じたことなのだけれど、
刃物に対する心構えというか、
なにか大切なものが失われているのだなぁ、と思った。
刃物は人間が生きていく上で、もっとも基本的な道具だと俺は思う。
ものを切るということが出来なければ、
家も服も食料も作ることは出来ないのだ。
なのに「刃物は大切なものである」という認識が薄れてしまっていると俺は思う。
日本刀は、人斬り包丁だが、
むやみに人を斬るものではないだろう。
刀は武士の魂として大切に扱われる。
刃物は、そこに自分が生きるという意志を込めて使うものだ。
おそらく、切るということは、
植物にしろ、動物にしろ、相手の命を取ることを意味する。
それでも、それが許されるのは、
自分が生きてゆくからだ。
そんな風に思う。
2008年6月11日(水) くもり
昨日に引き続き田植え。
とにもかくにも、植えるだけは植え終えた。
夕方、昨日植えた田に水を見に行ったら、
道の縁に腰掛けて田を眺めながらワンカップを飲んでいる年配の男の人がいた。
この何日か、ときおりこの人がこんな風にしているのを、
見かけることがあった。
今まではよその家の田のところで座っていたが、
今日はうちの田の前。
その人から話しかけてきて、
「植えられたねぇ」と。
「ええ、でもまだこれから、所々欠けているところの見直しもしないと」答えると、
「そうか、大変だねぇ」。
俺が「このごろ時々、田のふちに来てますね」というと、
「こうして田んぼを眺めていると気持ちがいいからねぇ。
まだ蚊はいないし、涼しいし」
俺も田んぼを眺めやって、
「確かにこうして水の張られた田は気持ちいいですよね」
というと、
「本当にね。あぁ、ゴミは持って帰りますから」
と、気を遣ったのかそう言った。
田んぼを眺めながら、酒をちびりちびり飲んでいる。
いったいどんな人なのか?となんだか不思議な気がした。
でも、田んぼの気持ちよさが分かる人だから、
ゴミを捨てるようなことはしないだろうし、
かえって、こんな風に感じてくれる人がたくさんいると良いなと思った。
そういえば6月8日の秋葉原連続殺傷事件のことも
少し記録として書いておこう。
全く罪も関係もない人を個人的な感情で殺傷する。
どうにも理解のしがたい行動だ。
この日が池田小学校事件の日であったと言うのは偶然か?
こうした事件が多発するようになったのはどうしてだろう?
そんなことも思いながらも、
たとえば歴史を振り返ってみると、
実は、いつの時代も世界のどこでも、
まぁ、たいがいは、血なまぐさいことの連続で、
それは個人的なことか、組織やグループでのことか、
あるいは国としてのことか、
いろいろな場合があるにせよ、
「本当に人間って進歩しねぇなぁ」
という思いに駆られる。
人間って、
つくづく不完全に出来ている。
その不完全さがあるからこそ、
おそらく何かしらの可能性というものもあって、
だからこそ、人間は素晴らしいと言うことも出来るのだろうな、
などと考えた。
2008年6月10日(火) 晴れ
久々に晴れ間のぞき、気温も上がる。
今日は田植え。
およそ半分を終えた。
全体の量を一日では無理があるので、
余裕をもって二日かけて行う。
なので、明日も田植え。
今年は親父もお袋も田に入らず。
これは、今までにないことだ。
それだけ、2人とも歳をとったということだろう。
それでもあぜ回りで出来ることをしてくれていた。
手数がなければ出来ないことと言うのは、
たくさんあるわけで、
それだけでもありがたい。
歩行式の田植機で、俺ひとりで植えるのは、
慣れたことでもあるので、さほど苦にならない。
ただ、機械で植えられない部分などは、
昨年まで、だいたいは両親と妻と4人でやっていて、
これが今年は2人だから、幾分時間がかかりそうだ。
苗直しは、ネットで知り合った友人のNさんが
ここ数年来、手伝ってくれるので大変助かっている。
代かきは、どうもあまりうまくできた気がしなかったのだが、
植えてみると、思ったほど苦労することなく植えることが出来て、
まずまずだ。
機械での田植えは、まっすぐに機械を走らせて、
まっすぐに苗を植えるのが、
まぁ上手な田植えということになるけれども、
これが口で言うほど簡単ではない。
このあたりの田は整理がされていて、だいたいきれいな長方形。
これに計ったようにきれいに植えることが出来れば良いのだが、
だいたい、向こうとこちらの折り返しの幅が微妙に違ったり、
機械をまっすぐに走らせることができなかったりで、
手前はきっちりなのに、向こうの端は1条分くらい余ってる、
なんてことが良くある。
くろ付けにしても、代かきにしても、田植えにしても
田んぼの仕事って、そのひとつひとつが、
難しいよなぁ。
2008年6月5日(木) くもり/雨
先日から田んぼの仕事。
このところ、親父が腰痛で、
一人きりで田んぼの仕事をこなしている。
今まで、野菜の仕事もこの時期は7割がたくらいは、
親父が受け持っていたので、当然ながらそちらも
仕事が回ってきた。
百姓仕事というのは、1足す1が2ではなく、3にも4にもなる仕事。
ひとりではなく2人でやれば、倍以上の仕事が出来る。
が、今はその逆。
今まで、俺が受け持っていた梨の方は、お袋と妻に任せて、
もっぱら野菜畑と田んぼを回る毎日だ。
つい先頃、田んぼのくろ付けをして、
明日からは代かきの予定で、田植えは10日からするつもり。
田んぼの仕事で、辛いのはこのくろ付けと代かきだ。
近頃は、くろ付けもせず、代かきも丸太を曳かないですませるところも
多いが、今のところ俺は親父のやり方を踏襲するつもり。
手作業でくろ付けし、代かきは丸太を曳く。
で、まぁ、これが疲れる仕事な訳だ。
普段、あまり野菜の仕事もしないので、俺は鍬使いが不得意。
しかも、畑の土ならまだしも、田んぼの土を動かすのは、
重いし・・・。
くろ付けでは、ひさびさに手の皮が何カ所かマメのように白くなり、
こりゃ、水がたまって剥けちゃうかな?と思ったが、
もともと手の皮が柔らかでマメになることがほとんどない俺の手。
翌日には、白さも抜けて、やや皮が厚くなった程度って感じですんだ。
体も当日は、ガタガタに疲れたが、夜はPCも電源を入れずすぐに休んで、
翌朝は、まぁまた何とか動けた。
代かきの丸太曳きと田植えそのものは、この数年だいたいほとんど俺がやっているので、
さほど不安はない。
けど、くろ付けは例年の倍の量をやったので、本当にこたえたなぁ。
もともと、親父より先に腰痛持ちとなっている俺なので、
親父もお袋も「無理せずやれよ。ここでお前が具合を悪くしたら・・・。
くろだって、つけないうちもあるんだから、適当にやっとけ」と
心配していたが、今のところまぁ、今まで通りで、体も大丈夫そうだ。
なんとか、田植えが終わるまでは頑張って、もたせないとね。
とにかく、そんなこんなで、
このところめちゃめちゃ疲れている。
あまり、いい話もないし。
ま、それでもとにかく、
「頑張ってます!」
という今日この頃だ。
